レーザーのパワーって何?

 少々分かりにくいかもしれませんので、このテーマについては、2回に分けてご説明します。

   今回は、その1回目となります。

 主に次の2つがあります。今回の記事では、1の平均パワーの説明をします。
 ピークパワーの説明まですると、長文になってしまいますので…。


 1:平均パワー(W)
 2:ピークパワー(W)

 平均パワーの単位W(ワット)はJ/sec (ジュール毎秒)です。
 これは、単位時間当たりのエネルギー量を表しています。


 余談ですが、蛍光灯などで60W(ワット)というときのワットは、電力としての単位で、
 電圧(V)×電流(A)ですので、レーザーの平均パワーを表すときのW(ワット)とは意味あいが異なります。


 さて、平均パワーというのは、パルス発振するレーザーだけでなく、連続発振するレーザーの場合でも測定されます。
 なぜ平均パワーかというと、高速で時間変化する強度の時間平均になっているからです。


 この高速での時間変化がどの程度高速かということについて、ざっと触れておきます。

 例えば、パルスレーザーは、数kHz(キロヘルツ)~数MHz(メガヘルツ)という高速でその強度が変化します。
 また、連続発振するレーザー(CWレーザー)の場合は、更に高速です。
 C=λν(光速=波長×振動数)の関係式から、可視光領域のレーザーの場合の振動数νを求めると、
 毎秒10の14乗回の速さで強度が変化しています。


 実際には、このような高速の強度変化を直接計測することはできません。
 その為、単位時間あたりのエネルギーである平均パワーで計測しておくのが便利です。
 また、大抵の場合、平均パワーが分かれば、実務上、問題はありません。


 ピークパワーについては、また次の機会に説明したいと思います。