なぜレンズで集光するの?~フルエンスについて~
結論から言うと、エネルギーを一点(小さな面積)に集められるからです。
そして、エネルギーを一点に集めることによって、その場所だけを選択的に加工することが可能になるからです。


 この集光の程度を表す言葉が、フルエンスです。
これは、単位面積あたりのエネルギーで表され、単位は【 J / cm2 】です。


 例えば、集光スポット径がΦ1mmとΦ0.03mmでフルエンスを計算すると、
 Φ0.03mmの方が、1000倍以上もフルエンスを大きくできます。


 もしも、Φ0.02mmまでレーザー光を集光した場合は、
 Φ1mmの場合よりも、計算上はフルエンスを2500倍大きくすることができます。
 要するに、フルエンスは単位面積あたりのエネルギーだと言えば、それまでですが…。


 ただ、実は、このビームをきれいに集光することが、簡単な様で、実はかなり奥が深いです。
 光が小さく集光できたように見えれば、きれいに集光できているかというと、必ずしもそうではないからです。
 ただし、レーザー光を肉眼で見ることは危ないので禁止です。


 きれいに集光できているかを確認するには、ビームプロファイラなどの専用の機器で確認し、評価する必要があります。

 いずれにせよ、きれいに集光するためには、レンズの品質(面精度、偏心、他)、
 ビームのコリメーション、レーザー光源(安定性、ビーム品質、他)などの条件を整えることが必要です。


 それらのポイントを一つ一つを正しく理解し、光学系を構築した上で、
 所望の微細加工を実現するには、レーザー加工に関する各種パラメータを組み合わせる必要もあります。
 そのようなことを、わたしたちのような“レーザー微細加工屋さん”はさせていただいています。