【応用】ガラス内部マーキング

適切なレーザーを用いると、ガラスなど透明材料の表面にはダメージを与えずに内部だけにマーキング、描画を行うことができます。まるで、ガラスの中に絵などが浮いたように見えます。

YAGレーザーの基本波は、ガラスなどに対して透明で、通常は透過します。しかし、内部に焦点を当ててピーク強度の高い短パルスにて加工すると、焦点位置で微小クラックが発生します。この微小クラックは局所的な屈折率変化があるため人の目には白く見えます。

特殊な光学系を用いると、焦点スポット径はマイクロメートルオーダーとなります。このレーザースポットで加工されるサイズも同様にマイクロメートルオーダー以下となります。したがって、非常に微小なドットをガラスなど透明材料に形成できるわけです。

このスポットを少しずつずらしながら移動させていくと、線を描くことができます。この原理を使うと一つの平面内でマーキングができます。これを平面スライスデータとして上下3次元的に描画することで、ガラス内部に立体的な描画を実現できます。

ドット1つを形成する時間は、使用する加工機によりますが、1/1000秒よりずっと短い時間も可能です。

用途としては、装飾品としての利用が多いようです。これは視認性をよくするため、また、安価にするためドット径は比較的大きいです。一方で、ドットをより小さくすることで工業用途に使用する動きもあります。例えば、ドットの有無をデータの1/0と見立てることで、デジタルデータとみなすこともできます。ガラス内のドットの集まりを3次元的なメモリーが実現できるわけです。

レーザーによる透明材料への内部マーキングは、他の加工方法ではできない特殊な加工事例です。