【基本】光アイソレータ

光アイソレータは、一方向の光のみを伝える光学部品です。順方向の光のみを伝送し、逆方向の光を遮断しますので、電子部品のダイオードのような働きをします。

一般に光の発信源に光が入ると動作が不安定になったり、ひどい場合には損傷したりします。この部品により、戻り光によるレーザーの損傷や不安定化、情報通信のノイズ低減等が実現されます。情報通信ですと、LD、ファイバ、PDが基本部品ですが、最近では、この他に光増幅器、光カップラ、光減衰器、分波器、スイッチなど多彩になってきています。そして、この光アイソレータも重要な役割を果たしています。光アイソレータは、LDとファイバの間に設置されます。

原理的には、磁性体ファラデー素子で光の進行方向により偏光方向が変化する現象を利用しています。一般的に、ファラデー回転子を偏光方向の異なる偏光子で挟んだ構造となっています。ファラデー回転子の周りには円筒形の磁石があり、光の進行方向に磁場をかけています。この光アイソレータには、透過する光が直線偏光の場合に利用できる偏光依存型と、偏光によらずアイソレーションできる偏光無依存型があります。

偏光依存型素子の場合、順方向に進む直線偏光の光が偏光子を通り、磁界の加わったファラデー素子で偏光方向が変化されます。その偏光方向の光が透過する方向(45度)に置かれた偏光子によって光は透過します。逆に、逆方向の光は偏光子を透過後にファラデー素子により順方向と反対方向へ偏光が回転させられ90度の角度となり、次の偏光子を通過できません。この原理により、逆方向の光の遮断が行われるわけです。

偏光無依存型素子の場合、複屈折の原理を用いて逆方向の光を遮断します。

光アイソレータで必要な特性としては、逆方向の光に対して損失が大きいこと、反対に順方向の光に対して損失はなるべく小さい必要があります。また、実用上は、小型・低コストが望まれ、温度係数が小さいこと、飽和磁界が少なくて済むことなど、様々な要求があり、その材料の選択も重要な要素です。

ファラデー素子として用いられるのは、YIG(イットリウム鉄ガーネット)や希土類磁性ガーネットR3Fe5O12などの磁性薄膜です(Rは希土類)。Rを磁気光学材料Biに置き換えたタイプもあります。長波長の光に対しては、これらの素子が有効ですが、短波長では吸収が大きいという欠点があります。この欠点を補うために、最近では希薄磁性半導体を材料として用いる場合もあります。

デバイス形状としては、表面実装で基板に固定できるタイプや、同軸状の筒で固定するタイプなど、用途に応じた形状として提供されているようです。

これからの情報通信社会において、より高速、高安定な通信に必要不可欠な光学部品です。

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