【基本】偏光ビームスプリッター

一つの光線を二つに分岐させる光学素子にビームスプリッター(Beamsplitter : BS)があります。ビームスプリッターひとつをとっても、その仕様によりいくつかの種類に分けられます。

光線の偏光方向によって、分岐の方向(透過・反射)が変わるビームスプリッターを偏光ビームスプリッター(Polarizing Beamsplitters : PBS)といいます。

偏光ビームスプリッターは、光線にP偏光とS偏光が含まれていた場合、P偏光を透過、S偏光を反射させます。このように、偏光状態により光線を垂直に2つの光線に分岐させます。

コーティングとして誘電体多層膜が使われることが多く、光のロスが少なく効率よく光線を分岐させることができます。

このような特性がありますので、使用に際し、最適な波長は決まっており、通常は光を入射させる方向も決まっています。

偏光ビームスプリッターには、他のビームスプリッターと同じように、キューブ型とプレート型があり、それぞれ長所・短所があります。

キューブ型ビームスプリッターは、斜面に光学薄膜とつけた2つの直角プリズムの斜面同士を張り合わせてキューブ上にしたビームスプリッターです。このキューブ型ビームスプリッターは、光線が0°で入射しますので、光線のアライメントが容易で、透過光と反射光の光路差がないという特徴があります。また、透過光のビームシフトがなく、光学薄膜が空気に触れないため経年劣化が少ないという利点もあります。しかし、重量が大きく、大きなサイズを作成しにくく、一般的に価格が高いです。また、透過光の消光比と反射光の消光比が異なることが多いです。さらに、プリズムを構成するガラスの厚みがありますので、光線に波長分散が生じます。

プレート型ビームスプリッターは、プレート表面に誘電体多層膜などの光学薄膜を構成し、1枚で偏光ビームを分岐させることができる偏光ビームスプリッターです。基板1枚の構成のため、キューブ型と比べて軽量で比較的大きなサイズも製造でき、安価です。また、一般的に、より高い消光比や透過率、損傷閾値を要求される場合にこちらのプレート型が用いられます。しかし、透過光のビームシフトがあり、45°の角度で光線を入射される必要があるのでアライメントが多少面倒です。

このように、それぞれの型の特性をよく理解して、用途や目的に合わせて選択する必要があります。

偏光ビームスプリッターの用途としては、ランダム偏光のレーザー光線を1:1に分割したり、1つの偏光方向の光を取り出すフィルタリング用途に用いられます。

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