偏光(へんこう)って何?(3)~わかりやすい偏光~

 今回も、実験を通して偏光の確認をしてみたいと思います。

 一般的な光学の教科書には、S偏光とP偏光のについての記載が、必ずといっていいほどあります。
 そこで、偏光について、計算式などを使わずに、直観的にわかりやすく説明してみたいと思います。

 実例を示しながら、順に説明していきます。

LED照明(点灯状態)
写真1.住宅用LED照明

 写真1は、一般的な住宅のLED照明です。目視で見た通り、直線状の形状をしています。

 写真2は、コップの水面に写真1のLED照明が反射している様子です。

 写真3は、偏光サングラスを通して、コップの水面に反射しているLED照明を見ているところです。
 
 写真2と同じ程度の反射の強さに見えますよね。ここで、偏光サングラスの左右方向(長手方向)と写真の左右方向とが直交していることに注目してください。

 普通、人が使用するときは、写真3のような偏光サングラスの向きで水面を見ることはないですね。
 人の両眼は、水平方向に並んでいますから。

 写真4も、偏光サングラスを通して、コップの水面に反射しているLED照明を見ているところです。

 写真3に比べて、反射している光が弱いことに気が付かれたかと思います。
 この状態は、人が偏光サングラスをかけて、モノ、風景を見ている状態ですね。

 なぜ、反射している光は全く同じなのに、偏光サングラスを通して観察すると見え方が違うのでしょうか?

 それは、偏光サングラスを普通に使用すると、横方向(水平方向)に振動して眼に入ってくる光が通過しにくいように作られているからです。

 水面(反射面、境界面)などに光が斜めに差し込んだときの反射光は、水面に平行(水平方向)に振動する光はよく反射するのです。
 逆に、水面に垂直な面に振動する光の反射は弱いのです。このような反射率の入射角依存性は、物理現象であり、自然な状態なのです。
 
  さて、光(横波)が振動している方向と偏光フィルターの方向が一致していると、光は、そのフィルターを通り抜けることができます。偏光フィルターは、光から見ると、スリットのようなものだとイメージしてもらえれば、わかりやすいかもしれません。

 これを言い換えると、偏光サングラスは垂直方向のスリットによって、水平方向に振動する光(S偏光)の大部分を遮断しているということです。だから、人間からすると、まぶしさが軽減されることになるのです。
一方、P偏光は、S偏光と直交した光(入射面に平行な光)です。

 『偏光って何?(2)』で書いたように、光は進行方向と直交する方向に振動する横波(※)ですから、このようなことも起こるのですが、これが、レーザー加工にも影響を及ぼす場合もあるのです。おもしろい(?)ですね。

※光は、電界と磁界が直交しながら振動する横波です。
 一般に、光の偏光の話しをしているときは、光の電界成分(電気ベクトル)に着目して議論されています。

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