【基本】エキシマレーザー

希ガス原子とハロゲンガス原子の混合ガスを媒質とするレーザーをエキシマ(エキサイマー)レーザーと言います。通常、希ガス原子(He, Ne, Ar, Kr, Xe)は安定ですが、励起状態となると他の原子(Br, F, Cl)と結合して分子を構成します。このように励起状態でのみ安定に存在する2原子分子を意味するexcited dimerに由来する言葉でexcimer(エキシマ、エクサイマ)と呼ばれます。エキシマは励起状態では安定ですが、基底状態に戻るとバラバラになり原子の状態に戻ります。下位準位がなく、すぐに基底状態となるため理想的な反転分布を得ることができます。エキシマレーザーはこの現象を利用しています。

多くは、放電励起方式で発振され、1~4気圧程度の高い圧力の気体に一様な放電をさせます。この放電には高い技術力が要求されるものの、紫外線領域の高いフォトンエネルギーと高いピークパワーを高効率で得ることができ、装置を小型化できることは魅力的で、広く普及しました。

市販のものでは、出力エネルギー~1J程度、パルス幅10~30ns、繰り返し周波数~1000Hz程度のレーザーが多いようです。

最初に実現されたのはXe2レーザーと言われています。液体希ガス中に電子ビームを照射させてレーザー発振が得られました。その後、希ガスとハロゲン原子が結合した希ガスハライドが出現し高出力・高効率の紫外レーザーとしてポピュラーとなりました。

希ガスーハロゲンと発振波長を次に示します。

ArCl —- 175nm
ArF —- 193nm
KrCl —- 222nm
KrF —- 249nm
XeBr —- 282nm
XeCl —- 308nm
XeF —- 351nm

ガスや要素部品の寿命が短いという欠点がありましたが、最近ではガスの高純度化や部品の改善により、109ショット以上の長寿命化が進んでいます。

用途としては、紫外線分光の光源、光化学、レーザー微細加工、レーザーリソグラフィー、レーザーアニールに用いられています。また、レーシックなど視力矯正治療にも用いられています。

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