【基本】色素レーザー

色素レーザーは、液体を媒質とするレーザーです。レーザー媒質は蛍光性有機色素をメチルアルコールなど溶媒に溶かしたものです。レーザーの励起にはXeフラッシュランプなどが使われます。色素溶液は、光共振器内でブリュースター角で膜状に噴射されています。発振波長の選択は、光共振器内に設置されたエタロン板や波長選択素子で行われます。

色素レーザーの電子状態を見てみますと、全てのスピンが対になっている1重項状態と1対のスピンがそろっている3重項状態のエネルギー準位系となっており、互いの移り変わりはゆっくりとしか行われません。また、色素は分子量の大きな複雑な分子であるため、各エネルギー順位はバンド状になっています。各遷移間は大きな吸収係数を持っているため、効率よく励起されます。基底状態に戻るときに蛍光が起こりますが、この蛍光が広いスペクトル幅を持っているため、任意の波長でレーザー発振ができることになります。

媒質である色素を変更することで発振波長を変えることができます。さらに、色素を合成することで希望の波長のレーザーを得ることもできます。現在では、500種類以上の媒質でレーザー発振できることが確認されています。

この色素レーザーで最も効率よく安定したレーザー発振ができる媒質は、ローダミン6Gといわれており、効率は30%にもなります。

色素レーザーは、他のレーザーを励起する種光として用いられることが多く、窒素レーザー、エキシマレーザー、YAGレーザー、アルゴンイオンレーザーに用いられます。しかし、比較的早く媒質が劣化することと波長可変固体レーザーの普及に伴い使用範囲が狭まっています。

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