【応用】レーザリンク

インターネットは、情報伝達の手段としてすでに私たちの生活に欠かすことができない技術となっています。しかし、世界を見渡すとまだまだインターネット(とくにブロードバンド)のメリットを享受できていない地域もあります。その解決策として、宇宙を利用した無線情報伝送の事業化が進んでいます。

これは、宇宙空間に人工衛星の一群・システム(コンステレーション)を構築し、その間、および衛星と地球をつなぐことで地球上の必要な地域にインターネットサービスを提供しようというものです。

この概念自体は、レーザーが誕生した1960年頃まで遡るといわれています。しかし、最初に実証されたのは、2008年に行われた欧州の衛星Terra SAR-Xと米の衛星Near Field Infrared Experimentの2つの低地球軌道衛星間でレーザー通信が行われた実験です。25秒以内で互いにロックオンし5.6Gbpsで約20分間双方向通信したそうです。

続いて、2013年にNASAがLLCD(Lunar Laser Communication Demonstration)によって月からデータを送信しました。この時の速度は622Mbpsで宇宙からの無線でのデータ速度としては高速で、技術的に大きな進展が見られました。

2016年には、最初の商用レーザ衛星間でのレーザリンクが運用されました。エアバスがSpaceDataHighwayとして、テサット社のレーザ通信ターミナルを用いて、低地球軌道上の4基の衛星によって収集された画像データを地球に1.8Gbpsで送信しました。2019年には、2期目の対地同期衛星が追加され、中継速度が向上しました。

これらの技術をさらに発展させて、ブロードバンドが未整備の地域へインターネットサービスを提供する動きもあります。SpaceX社が衛星打ち上げサービスの低価格化を実現したため、衛星を経由したインターネットサービスが目前に迫っているとの指摘もあります。

無線データ通信は、マイクロ波リンクでも実現可能です。この方式ですと、雲や霧など大気中で光信号が遮られることがないというメリットがあります。一方で、レーザは伝送帯域幅が広く、受信機を小さくでき、盗聴されにくいというメリットがあります。ただ、レーザー接続を常に維持するために相対位置を制御し続ける必要があります。

ブロードバンドを世界に届けるという目標の解決策としてFacebookはドローンを検討していたようですが、今では衛星の方にシフトしているようです。

レーザーのハードウエアは、分布帰還型(DFB)半導体レーザー+増幅器の1550nmや1080nm帯、DPSSレーザーの1064nmが使用されているようです。

技術的にも、まだまだ課題が多く、困難が伴いますが、世界の人々が平等にインターネットを使うことができれば、素晴らしいですね。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です