【応用】重力の絶対測定

重力は、重さの源であり重力があるから重さを認識でき、地球上の物体は重力の存在を前提に構成されています。この重力を精密に測定するためにもレーザーが応用されています。

以前は、重力振り子によって重力の絶対測定が行われていました。振り子の周期Tが重力加速度gの平方根に反比例しますので、周期を測定することで間接的に重力値を求めていました。振り子の長さをlとすると、周期Tは、次のようにあらわされます。

$$ T = 2 \pi \sqrt{ \frac{l}{g} } $$

しかし、振り子の長さを正確に求める必要があるため、厳密には直接的な絶対測定とは言えず、相対測定として使用されてきました。

現在の、絶対重力は自由落下法を用いています。真空中で空気の摩擦を除いて物体を落下させると、落下速度vは、落下時間tを用いて次のようにあらわされます。

$$ v = v_0 + gt $$

ここで、v0は初速度です。この式を、tで一度積分すると、落下距離sと落下時間tの関係が求められます。

$$ s = s_0 + v_0 t + \frac{1}{2} g t^2 $$

s0は初期位置です。この関係を見ると、長さsと時間tは基準として定義されており、正確に求めることができます。したがって、重力の絶対測定ができるわけです。

具体的には、次図にしめす原理で距離を測定します。原理的にはマイケルソンレーザー干渉計で、落下する物体の位置を測定します。ポイントは、反射鏡にコーナーキューブプリズムを利用していることです。コーナーキューブプリズムは、入ってきた光を全く同じ方向へ返すという特徴があります。これにより、反射鏡(コーナーキューブプリズム)が傾いても光を平行のまま戻すことができます。参照用と検出用の両方の反射鏡をコーナーキューブプリズムとして、参照用コーナーキューブプリズムは固定、検出用コーナーキューブプリズムは落下させて、その距離を測定します。

光源のレーザーとして、ヘリウムネオンレーザー(波長633nm)を利用した場合、検出用コーナーキューブプリズムが約320nm落下するごとに検出器で検出される干渉縞の明暗が1回だけ変化します。この明暗をカウントすることで落下距離がわかります。さらに高分解能を達成するために、明暗の1周期を内挿する場合もあります。

時間は、ルビジウム原子時計を標準として測定されます。これら、標準値を用いた測定により重力の絶対測定が行われています。

この原理を利用した絶対重力計は市販されています。米国のMicro-g LaCosteから種々のタイプが販売されています。

レーザーは、その特異な特長から、非常に重要な測定にも活用されています。

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