【基本】フレネルロム

光の位相を変化させる光学素子として、フレネルロムがあります。こちらのページで説明しましたように、光の全反射の現象を利用して1/4ないし1/2波長の位相変化をさせます。1/2波長の位相変化は、1/4波長の位相変化を2回繰り返すことで実現しています。直線偏光を入れるとフレネルロム内部での全反射により光のp,s成分の位相差がπ/2となるので、出射光は円偏光となります。つまり、1/4波長板として機能します。また、逆に円偏光を入れると直線偏光が得られます。このように、フレネルロムは直線偏光と円偏光の変換素子として働きます。

このフレネルロムの特長としては、他の波長板より広い波長範囲があげられます。その原理からも分かりますように、複屈折波長板では困難な広帯域波長板として機能します。

波長帯域が広いので、白色光源の偏光方向を変えることもできます。これを利用した分光計測なども行われます。

また、レーザー応用装置では光アイソレータとしても使われます。フレネルロムに直線偏光の光が入ると円偏光として出てきます。この光が鏡等に反射して戻るときには入射光と反対回りの円偏光となります。この光が再度フレネルロムに入ると直線偏光で出てきますが、偏光の振動方向は入射光と直交しています。よって、フレネルロムの前に直線偏光子を置いておけば、反射光は光源には戻らないことになります。この原理から電子部品のダイオードと同じ働きをしていると見ることもできます。

レーザー装置の場合、反射光が光源に戻るとレーザーが不安定になります。よって、このような光アイソレータを用いて反射光が光源に戻らないようにします。光ディスクプレーヤーや光通信で利用されています。

フレネルロムの形状は、プリズム状で、内部で反射を起こしています。材質は、BK7や合成石英が多いようです。

実際の使用では、汚れなどには注意することはもちろんですが、光の入射角度も重要です。これをしっかり管理しないと所定の性能を得ることはできません。

このフレネルロムは、発明者であるフランスの物理学者オーギュスタン・ジャン・フレネルにちなんで名づけられました。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です