【基本】レンズの種類

レーザー加工機では、レーザーをその光路中で集光、発散させるためにレンズを用います。この役割は、レンズの表面形状によって決まります。

広く使われるレンズは、作りやすくコストが安いため表面が球面の球面レンズですが用途によって様々な形状があります。

レンズを表面形状によって分類すると以下のようになります。

①球面レンズ
②非球面レンズ
③シリンドリカルレンズ
④トロイダルレンズ
⑤フレネルレンズ
⑥屈折率分布レンズ
⑦回折レンズ

①球面レンズ

球面レンズは、表面が球状であり表面が球中心から同じ距離にある面で構成されています。製作が簡単で安いため、広く普及しています。これは、2つの物体をすり合わせることで精度よく加工ができるためです。表面の曲率半径を変えることで光の屈折が変わります。平面は、曲率半径無限大の曲面と言えます。

球面レンズには、
・両凸レンズ
・平凸レンズ
・凸メニスカスレンズ
・両凹レンズ
・平凹レンズ
・凹メニスカスレンズ
があります。

②非球面レンズ

表面が球面ではないレンズです。表面形状は、放物面、楕円面など多項式で表され1枚で収差の少ないレンズを実現できます。しかし、製作が難しく以前はあまり実用化されていませんでしたが、技術の進歩により現在では普及が進みレンズ性能が向上しました。

一般に表面形状は回転対称が多いですが、対称軸のない自由曲面のレンズもあります。最近では、眼鏡では境目のない遠近両用レンズとして、この自由曲面をもつレンズが使われているものもあるようです。

③シリンドリカルレンズ

シリンドリカルレンズは、円柱を母線に平行な面で切り取った形状のレンズのことです。かまぼこのように、一つの断面はレンズの作用をせず、それと垂直方向の断面がレンズの作用をします。ある平面で縦と横の比を変更したいときなどに使用します。レーザー加工では、ラインビームを作成するときに利用されます。

また、このシリンドリカルレンズが表面に多く配置されたレンチキュラーレンズというものもあります。光線の分割集光、散乱を効率よくできるため、立体映像等に利用されています。

④トロイダルレンズ

トロイダルレンズは、円環状のレンズでドーナツの表面のように、縦と横で曲率がことなる表面を持っています。シリンドリカルレンズは、トロイダルレンズの特殊形状ということになります。乱視用のレンズに、このレンズが用いられています。

⑤フレネルレンズ

フレネルレンズは、薄い板の表面に微細な複数のノコギリ状の突起を形成することでレンズの役割を果たすレンズです。通常は、同心円状の突起を形成します。分割数を多くするほど厚さを薄くすることができます。

径の大きなレンズを作るとどうしても重くなります。このデメリットをなくすために、このレンズが考案されました。フレネルレンズでは、レンズの厚さを薄く軽くできるメリットがあります。しかし、表面の段差のために、シャープな像を作ることができないという問題もあります。元々は、灯台のレンズとして発明されたようです。

用途としては、照明や大型テレビのスクリーン、一眼レフカメラのファインダーなどがあるようです。

⑥屈折率分布レンズ

屈折率分布レンズは、レンズ表面での屈折を利用するのではなく、レンズ内部の屈折率の購買を利用して光を曲げるレンズです。グリン(GRIN; Gradient Index)レンズとも呼ばれます。

代表的なものにセルフォック®レンズがあります。円筒形をしたレンズ内部に端面から母線と平行な方向に光を入れて使います。円筒内部は、中心軸から円筒表面に向かい放物線状に屈折率が変化しており、光を集光・発散させる機能をもたせています。

⑦回折レンズ

回折レンズは、レンズ表面に微細パターンを記録したレンズで、これにより光が回折されレンズと似た作用を持ちます。

回折レンズの製作は、ホログラムの原理を利用して2つの光を重ね合わせた干渉縞を記録する方法と、リソグラフィの原理で微細なパターンを作る方法があります。

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