【応用】ラピッドプロトタイピング

製品開発の段階では、時間とコストの節約のため、実際と同じ部品を迅速に試作品を作る必要があります。このような場合、3次元データから一方向へスライスした2次元スライスデータを作成し、薄いスライス構造を作り、それを積み上げて所定の構造とする手法がラピッドプロトタイピングです。3次元的に印刷しているとみなして、3Dプリンティングとも呼ばれます。この方式は、材料を除去する加工ではなく、材料を付加する加工ですので、アディティブマニュファクチャリングに分類されます。

ラピッドプロトタイピングの手法はいくつかありますが、レーザーを応用したものもあります。

一つ目は、光硬化方式です。液体の光硬化性樹脂を浴槽にためておき、紫外線レーザーにて1層ずつ部品を形成していきます。光造形とも呼ばれています。レーザーのスポットの高さを変更することで層の違いを作り出し、立体的な3次元構造を作り出します。この方式では、樹脂の特性やレーザースポット径にもよりますが、サブミクロンオーダーの非常に高い分解能をもった加工ができます。また、樹脂の相変化はレーザーが照射されると瞬時に起こるため、加工速度が速いという特長もあります。

二つ目は、粉末溶融方式です。非常に細かいパウダー状の金属粒子を敷き詰め、レーザーにてスライス形状に沿って溶融していきます。一層が完成すると、その上にさらに金属粒子層を形成し、さらにレーザーにてスライス形状をつくります。この操作を繰り返すことで三次元的な構造体を作ることができます。加工分解能は、レーザースポット径や金属粒子径によりますが、10μm以下の構造体も作成できます。材料として工業的に多用される金属を利用できることと、比較的大型の部品も加工できるため、多くのメーカーが参入し、産業利用もすでに始まっています。

三つ目は、薄板積層方式です。上記の2つとはことなり、薄い板を2次元スライスデータの外周に沿って切断し、その薄い板を積層・接着させることで実現される方式です。材料としては、木や紙が多いようです。手軽に利用できる方式ですが、精度が高くなく、積層・接着の手間がかかるため、工業的な利用は少ないのではないでしょうか?

ラピッドプロトタイピングは、3次元データから、手軽に試作品を作ることができまるオンデマンド加工が最大の長所です。また、光硬化方式や粉末溶融方式では、除去加工では不可能ないくつもの部品が複雑に入り組んだ構造も実現でき、加工後の部品の組み立ても不要な設計にすることができます。
一方で、オーバーハング形状が不得手であったり、加工速度が遅いという課題もあります。

このように、レーザーは除去加工のみではなく、付加加工にも活躍しています。

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