弊社ホームページに“非熱加工”という言葉がありますが、その点についてざっくりと御説明します。
結論から言うと、
【レーザーで加工した場所(レーザービームスポット径+α)から、加工したくない場所に熱影響が伝わるよりも前に、加工が終わるから。】
です。以下で、その理由について、日常的な例を交えて、御説明します。
日常生活の中には、非熱加工が起きる場面は、まず無いと思いますので、分かりにくいかもしれません。ただ、強いて例えるならば、次のような例で例えることができます。
キッチンで、熱湯の入っている鍋ややかんに、ほんの一瞬、指を触れたときは、「熱さ」はほとんど感じないと思います。しかし、1~2秒程度、指で触れ続けたら「アツッ!!」となって、慌てて指を離すと思います。下手をすると、火傷してしまいますね。
この関係は、鍋ややかんの【熱】と自分の【指】と、それらが触れ合ってる【時間】の長さの関係性で説明できます。つまり、【指】が【熱(源)】に触れている【時間】の長短で、熱さを感じたり、ほとんど感じなかったりするわけです。
レーザー加工で非熱加工というのは、レーザー【光】と材料【物質】と、その両者が影響しあっている【時間】の長さと大きな関係があります。
つまり、一瞬だけ熱い鍋に触れても、ほとんど熱さを感じないように、物質も“一瞬”だけレーザー光に照射されただけだと、レーザー光に影響される部分(≒加工される部分)は、極限られれた領域(レーザービームスポット径+α)になるのです。
そして、そのような、熱の影響が周囲に伝わらない程度の時間というのが、大体ピコ秒(10のマイナス12乗 秒)程度なのです。ただし、金属や、樹脂、ガラスなど材料によってその影響は異なってきます。
私たちがレーザー加工に使用しているレーザーは、1パルスの時間が、およそピコ秒程度なので、加工材料にほとんど熱影響を与えるほどの時間が経過する前に加工が終わってしまうので、所謂【非熱加工】ができるのです。
ここで、ちょっと“パルス”という言葉が出てきましたが、そのことについてはまた別の機会に。