【基本】光学ガラス

レーザーなど光学機器に使用するレンズは、様々な特徴がある特殊なガラスで作られており、光学ガラスと呼ばれています。その性質を順に見ていきます。

1.均質性

ガラスで良く見られるのは、窓ガラスや食器類ですが、この材料で光学機器を作ってもうまくいきません。それは、このガラスが均質にできておらず光が真っすぐに進まないためです。ガラス内部に屈折率が異なる部分があると、光は屈折率の高い方に曲げられてしまいます。実用上は、使用する光の波長の1/4以下であれば均質とみなすようです。このような屈折率のムラは脈理(みゃくり)と呼ばれています。また、粒状のムラだったり、周期的なムラの場合もあります。このようは不具合は、干渉計等によって検査されます。例えば、BK7という広く使用されている光学ガラスは、屈折率1.5168に対し、±0.000005というわずかなばらつきに抑えられています。

2.透明性

透明性は透過率で評価されます。これは、光が媒体を透過する際に吸収される量と吸収されずに透過する量の比で表されます。透過率Dは、測定される光透過率で、媒体外表面での反射損失を含んでいます。垂直入射光線の一表面における反射損失をR,吸収係数をk,媒質厚さをdとすると、透過率Dは以下のように表されます。

$$ D = \frac{1-R}{1+R} 10^{-kd} $$

ここで、$$ T = 10^{-kd} $$は内部透過率と言われ、反射損失を除いた透過率です。このように反射損失がありますので、透過率Dは100%にはなりません。

複数のレンズを組み合わせて使う光学系では、レンズ全体で光学ガラス部が厚くなる場合もあります。ですから、レンズによる光の吸収により像が暗くならないように透明性が求められます。例えば、BK7の場合、100mmの厚さでも光の吸収は1.6%程度しかありません。一般に、クラウンガラスはフリントガラスより透過率が優れているようです。またフリントガラスは高い反射損失がある場合がありますので、反射防止コーティングを用いる必要もあります。

また、波長によっても吸収率は異なりますので、媒質を透過すると、色が変わる場合があります。光学機器の設計には、この点を注意する必要もあります。

3.分散

分散は波長の屈折率変化のことで、色収差の原因となり画像の劣化に影響を与えます。色による屈折率の違いが大きい材料は「分散が大きい」といい、逆に小さい材料が「分散が小さい」といいます。プリズム光が分光されるのは分散があるためで、分散の大きい材料のプリズムは光が広がる範囲が大きくなり、分散の小さい材料では光の広がりが小さくなります。

通常、材料の分散は3つの光で測定されます。486.1nm(nF:ハイドロゲンFライン)、589.3nm(nD:黄色ナトリウムDライン)、656.3nm(nC:ハイドロゲンCライン)の3つの波長です。分散は、アッベ数(\(\nu\))で次のように表されます。$$ \nu = \frac{n_D – 1}{n_F – n_C} $$

ぞの材料でレンズを作った場合の赤と青の光の焦点位置の差(軸上色収差)を表しています。つまり、アッベ数\( \nu \)の材料でレンズを作ると、レンズの焦点距離の\( 1 / \nu \)だけ赤色と青色の光の焦点位置がずれることになります。

また、$$ n_D – 1 $$, $$ n_F – n_C $$ をそれぞれ屈折度、主分散と呼びます。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です