1.レーザーとは?
レーザー(LASER)の名称は、その原理であるLight Amplification by Stimulated Emission of Radiation(放射の誘導放出による光増幅)の頭文字を取ったものに由来します。共振器を用いて光(電磁波)を増幅してレーザーを発振します。1917年にアインシュタインが「誘導放出の理論」にて、可能性を示した後、1960年にメイマンがルビー結晶を用いたレーザー発振を初めて成功させました。その後に次のように、多くのレーザーが開発されています。
・1961年 :Ali JavanによってHe-Neレーザー
・1962年:Nick Holonyak, Jrにより半導体レーザー
・1963年:W.BridgesによりArレーザー
・1964年:C. Kumar N. PatelによりCO2レーザー
・1966年:P.P.Sorokinによる色素レーザ
・1970年:によりエキシマレーザ
2.レーザーの特長
レーザーは次のような特長があります。
①単色性 :波長が一定です。
②指向性:真っすぐ進みます。
③可干渉性 :位相がそろっています。
④高光密度:少ない面積に集めることができ、大きな仕事ができます。
3.レーザーの機能と応用
レーザーの特長を活かすと、次のような機能を発揮します。
加工 | レーザーを集光させた高密度点で除去/付加加工ができる。 | レーザーマーカー、切断、アニーリング、溶接、レーザーメス |
読取 | 微小スポットでの検知 | 光ディスク(CD/DVD/BD)の読取、バーコードリーダー |
書込 | 微小スポットで材質を変化 | 光ディスク(CD/DVD/BD)の書込、レーザーマーカー |
通信 | 少ない減衰、高速応答、広帯域、小型を活かし、情報通信 | 光ファイバー |
照明 | 微小スポットで高輝度に正確に照明 | レーザーポインター、レーザー顕微鏡、墨出し器 |
測定 | 可干渉性、指向性、単色性により高精度測定 | レーザー干渉計、位相差顕微鏡、膜厚計、セルソーター、蛍光顕微鏡 |
検知 | 高速性、指向性により正確な検知 | 汚染物質検知、車間距離検知 |
3.レーザー微細加工の特長
レーザーの特長を最大限に活用すると、除去加工において次のような特性を得ることができます。
・微細加工性:極微小点に加工を行うため微細な加工ができます。
・精密加工性:安定した品質にて加工を行えます。
・高エネルギー密度加工:瞬時に材料を蒸散させ除去できます。
・高柔軟性:金型等が不要でプログラミングで任意に柔軟な加工ができます。
・高効率性:微小部分を効率良く除去します。
・化学反応:熱ではなく化学的な反応で除去します。
以上のように、レーザーは工業的な利用としては、歴史が浅いですが、微細加工においても無限の可能性がある技術です。